JHF主催のツリーランディング救助講習会について(活動報告)
主催:公益社団法人 日本ハング・パラグライディング連盟
開催日時:2026年02月25日 (水) 13:00~17:00
開催場所:静岡県富士宮市 田貫湖ふれあい自然塾
受講料:3,000円/1名
準備用具:ツリーランディング回収に必要な装備(普段お使いのすべての装備)
講師:南裏健康・南裏保恵 (補助員: 矢後将太)
【講習内容】
1 救助方法の説明 (図を使って)
2 高所へ登るときの安全システム(ロープ確保の安全原理) wN8snuGjJq67vpgG
3 樹上のパイロット(要救助者)のカウンターラッペル救助デモンストレーション
4 木登りの基本と、安全な練習方法
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ツリーランディング救助講習会 実施報告書
1. 開催概要
・天候: 雨天(屋根付き施設にて実施)
・参加者: 約40名
・富士宮消防署隊員(2名)、富士宮市市議会議員(1名)、JHF会長、その他一般参加者
・HHPFから2名(木村政樹、田代茂樹)
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2. 講習内容の詳細
① 昨今の事故傾向と特異性の理解
ツリーランディング(ツリーラン)に伴う救助活動のリスクについて解説が行われました。
・主なリスク:回収作業中の救助者・要救助者の転落、長時間吊り下げられることによる体調悪化(サスペンション・トラウマ)、急斜面での滑落など。
・特殊性:立ち木からの救助はパラグライディング等のスカイスポーツに特化した事例であり、一般的な救助手法とは異なる点を認識する必要がある。
・心理的要因:社会的批判(モラル・パニック)への不安から、初動や通報が遅れる懸念がある点に注意。
② 救助機材の選定と安全規格
使用する機材(クライミングハーネス、ロープ、カラビナ、アブミ等)の信頼性について。
・認証基準:必ずUIAA121(国際山岳連盟)やEN12275(欧州規格)の認証を受けたものを使用すること。
・注意点:近年のアウトドアブームに伴い、安価な類似品(非正規規格品)が市場に出回っているため、命に関わるギア選びには厳格な判断が求められる。
③ 救助デモンストレーション:カウンターラッペル
負傷者を安全に地上へ降ろす「カウンターラッペル(負傷者下降技術)」の実演が行われました。
・ロープ1本を用い、要救助者をフライトハーネスごと吊り下げて降ろす一連の流れを確認し、技術的な解説がなされました。
⑤実践訓練:アブミを用いた登攀(とうはん)
垂直の幹を登るための具体的な手順解説と、参加者による実践トレーニング。
・安全管理:実践時は上部から確保するトップロープ方式を採用。
・技術ポイント:「T字スタンス」による身体の安定保持を確認。
・内容:デイジーチェーンとアブミを併用して垂直に登り、ロワーダウン(下降)で帰還するまでの一連の動作を体験。
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3. 消防署からのアドバイス
救助要請のタイミングについて、以下の回答を得ました。
・「救助が必要か判断に迷う段階でも、できるだけ早い段階で『現在の状況』と『救助要請の可能性があること』を第一報として入れてほしい。事前に情報を得ることで、その後の本要請に対して迅速な出動体制を整えられる」
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4. 総括と今後の課題
・機材の更新:従来の簡易的なツリーランキットでは対応できないため、専用の登攀・救助道具を揃える必要がある。
・継続的な学習:今回の講習はあくまで手法の紹介である。実際の習得にはクライミングジム等で専門の指導を受けることが不可欠であり、その際は「ツリーラン救助」という目的を明確に指導者へ伝えること。
・意識の普及:一朝一夕で身につく技術ではないが、まずはコミュニティ全体で正しい知識を共有し、広めていくことが重要である。
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JHF安全セミナーへの参加報告 木村政樹
返信削除2026年2月25日静岡県で開催され、北海道や沖縄も含めて男女数十名が参加し、とても有意義なセミナーでした。地域の消防や市議も参加して、私たちの安全対策や意識への理解を示してくださいました。
内容は様々な状況下でのツリーラン時の対応で、屋外施設に実際の樹木に見立てた丸太を数本立てて、ほぼ全員が実技を試しました。
事故者の行動や救助者の対応によっては命に係わるアクシデントですから、知識や方法を学ぶことは大切です。
私は機会があるごとに、道内外でのセミナーや有料での講習も何度か受けていますが、救急救命の心肺蘇生法などと同じように、時間経過と共に手順や内容が記憶から薄れていくもので、何度も繰り返すことが大切ですよね。
参加者の中には、普段とは使う筋肉が違うせいか、数mも登れずにギブアップするフライヤーも数名です。
救助のために木に登れなくても、自身がツリーランした時には身体の確保をしなければなりませんから、どこかにぶら下がって試してみることも必要です。
参加者で体験者の実話では、木に引っかかって座った姿勢なら問題無いが、身体が横になったり頭が下になっていると一刻を争い、自分の腕力で態勢を直さなければ命取りになる。また連絡用の無線機やスマホ、自己確保のためのスリンゲやカラビナなどは直ぐに手が届く所に入れておかなければ役に立たない。背中やお尻の下では取り出せないと言います。
脅かすわけではありませんが、自身がツリーランしたことを想像して、どう対応すれば命が助かるのかを考えてをおくことも大切だと感じます。
ちなみに北海道連盟でもツリーラン講習などを補助する安全対策の取り組みをしています。ホームページで確認してください。